【デジタルカメラとRGBについて】
デジタルカメラとRGBについて
RGBワークフローのスムーズな導入のためには、
「運用」「技術」の各ファクターを整理し、
ワークフローを再構築することが重要な課題になっています。
デジタルカメラの普及とRGBデータの品質設計の課題
2000年を起点にプロフォトグラファー向けデジタルカメラが市場へと普及したのは、ハードウエアの実勢価格が100万円を切り、有効画素数も400万画素オーバーとなるなど、「コスト」「品質」のバランスが現実的な運用条件と合致し、プロユースとして撮影現場に受け入れられた事が大きな要因として挙げられます。
また、プロ市場に追従するようにコンシュマー向けのデジタルカメラ製品群もコンパクト・高画素化と技術開発が進み、さらに携帯電話に搭載されているカメラ機能も2006年12月現在、遂に300万画素オーバーへと到達しています。これらデジタル画像の入力手段の多様化とそのデータの保管先であるパーソナルコンピュータの処理能力の向上、画像処理ソフトウエアの機能的充実、出力デバイスであるプリンター市場の拡大とデジタル市場全体の成熟が相互補完関係となって、デジタルカメラによる作業フローが急速に展開しました。
その結果として、良くも悪くもプロフェッショナルの閉じられた作業環境下で、今まで保障(担保)されて来た画像の品質設計に対する判断・責任の所在が曖昧となり、制作現場において混乱も多く見られるのが現実です。
技術(テクノロジー)と技巧(テクニック)を区別する
画像品質のトラブルは、「カラーマネジメントシステムに関する誤解」「品質ポイントが明確に指示・伝達されない」といった関係者のコミュニケーション不足と複合化した要素が原因となって、作業の無駄なやり直しなど多くの日常的な問題として顕在化しています。新たに確立されるテクノロジー(技術)と従来から存在するテクニック(技巧)を切り分けることなく混在した状態で作業を進めると、品質に関する責任の境界に揺らぎが起こり、管理上の混乱が発生してしまいます。今まで接点を持つ機会が少なかったフォトグラファーと製版レタッチマンとの画像処理の連携もデジタル化によって、技術の接点が再結合した現象の一つです。したがって、「品質に対するコミュニケーション手法」と「技術標準(規格)化」を早急に確立する事が業界において急務とされています。
デジタルカメラ画像入稿データのポイント
入稿するデータのカラーモードは「RGB」と「CMYK」のどちらが良いか
当社では、RGBモードでの入稿を推奨しています。理由としては、印刷物で使用するトリミングやリサイズ(倍率変更)が決定していない状態でシャープネス処理を施されたデータは、実際に使用するサイズに拡大縮小を行った時点で、画像にトラブルが発生する可能性があるからです。具体的には「輪郭のジャギー」や「ザラつき」などの発生が考えられます。
またCMYKへの変換は、業界色基準が調整段階にある現状に於いては、実際に印刷を行う印刷会社の印刷本機と使用する用紙やインキ総使用量などの条件に合わせたモード変換(写真分解)を行う方が、結果として良い印刷物を仕上げるための条件となります。「餅は餅屋」という事でCMYKへの変換と以降の色調補正は、印刷会社におまかせ下さい。
当社では、CMYKモードの実データ入稿は、初校使用段階ではご指示がない場合、「完全データ扱い」とさせて頂いております。
データの入稿メディアについて
当社では、DTPの入稿作業に使用されている一般的なメディアに対応しています。フロッピーディスク、MO(光磁気ディスク)、CD-ROM、DVD、HD(ハードディスク)などが、入稿実績のあるメディアです。
カメラ内蔵の各種メモリーメディア(マイクロドライブ、スマートメディア、コンパクトフラッシュ、メモリースティック、SDメモリなど)に関しては、お客様のオリジナルデータに対して読み込み処理時や運搬時のデータ障害のトラブル回避や各種読みとり装置の準備と対応に問題があるため、それらのメディアでの入稿はご遠慮させて頂いております。
また、必ず撮影データは、バックアップの上でご入稿頂くようお願い致します。カメラ本体の持ち込みも精密機器の受け渡しの危険性からお持込はお断りさせて頂いております。
ICCプロファイルの埋め込みについて
当社では、RGBデータのみに埋め込みを推奨しています。ICCプロファイルの運用は、カラーマネージメントの観点から有効な手段ですが、現在業界ルールが整備中でもあり、ICCプロファイルの埋め込みが逆にトラブルの原因となる場合もあるので注意が必要です。
まず、日常の入稿頂くデータを検証させて頂くとICCプロファイルの埋め込みの意味を理解して運用していらっしゃるお客様とそうではなく、ソフトのデフォルトのまま、知らず知らずに埋め込みを行っているケースが見受けられ、現状受け手側の印刷会社としては後者のデータが比率的に高い調査結果となっています。
そのため出力機のRIP装置がICCプロファイルを優先する設定でデータ処理を行った場合、SWOP(アメリカのオフセット輪転機の印刷基準)やEUROカラー(欧州カラー)など日本の一般的な印刷適性とは違う基準色の印刷版が出力されてしまう結果となります。
JAPAN Std V2もあくまでアドビシステムズが作成したコートベースのインキ総使用量 300%を条件付けしたカラーテーブルですので、全ての印刷条件に適合した変換テーブルではありません。したがってCMYKモードに関してのICCプロファイル埋め込みは、印刷会社が確定している場合は事前に印刷会社に確認を取る方が現在のワークフローでは安全な運用であると言えます。
プリンター出力物は印刷見本になるのか
カラーマネージメント環境と、定期的な装置のキャリブレーションが行われていれば、プルーフなどのプリンター出力物も印刷見本になります。インクジェットプリンターも染料タイプから顔料タイプまで多岐に渡り、印刷機の色再現領域を包括できるバランスを持った製品が市場には登場しています。画像データを制作した環境で、そのデータの認証された色を出力し添付して入稿する事は、その色作りの方向性を実際の印刷向け画像処理を行うオペレータに伝達する手段として非常に有効です。
ただし、近年増加傾向にあるトラブルとしては、「キャリブレーション(基準調整)不良のプリンターから偶発的に出力された色が認証されてしまったカンプ」や「標準的な印刷(セットCMYK4色での印刷)で再現できる色領域外の彩度の高い色域(マリンブルーや明るいオレンジなど)のデータが色見本として入稿素材として添付されるた場合」に色調調整に関する問題が発生しています。
プリンターに独自の色調整を施したり、調整不良の状態で出力されたものは、データ自身の中身と出力結果に誤差が発生しているため色調整は、その誤差の度合いで修正が難しい状況が発生します。また、印刷再現領域外の色は、特色などを使用するなど設計そのものを変更する必要があります。当然仕様変更の内容によって当初予定された日程、費用などに影響を及ぼすので、定期的出色環境の基本的な色に関する調整をとるなど、ご注意頂く必要があります。
Rawデータの入稿について
当社では、Rawデータの入稿は現在お断りさせて頂いております。Rawデータは、銀塩一眼レフの「現像」に相当する工程だと当社では判断しています。そのため撮影された「商品や被写体の色そのもの」や「写真としての仕上がり目標色」の伝達ルールが整備されていない状態では、撮影者の意図とは違う色の仕上がり(現像処理)になるトラブルの発生が予測されます。
当然の事ながらRawデータを現像する各メーカーが開発しているキャプチャーソフト(現像ソフト)は独自の操作マニュアルが存在し、現実的には、受け入れ側の製版、印刷会社が全ての最新の現像ソフトを準備出来ない事、オペレータが操作訓練する受け入れ体制が難しい事も理由です。
したがいまして、現状に於いて入稿頂くデータは、色調整を行いTIFFフォーマットにデイベロップして頂いた上で入稿頂く事をお願いしております。
その他の注意点
実際に使用する画像のファイル名を明確にお願い致します。入稿メディアの中に「露出違いのショット」や「連続撮影の画像」が混在していると製版作業者は、どの画像を使用するか判断が出来ません、また似通った商品の編集段階での配置間違いなどの原因となります。
必ず入稿する出力カンプに画像のファイルネームを記入するなど、誰が見ても使用する画像の判別が出来る形で入稿をお願い致します。